漁夫の利 2015 9 27
ロシアは、シリアのアサド政権に軍事的な支援を開始、
さらに、「イスラム国」への空爆も単独で行う意欲もあるという。
しかし、これは、中東において偶発的な戦争を招く危険性がある。
下手をすれば、火に油を注ぐようなものだからだ。
一方、ロシアは、ベトナムに戦闘機を供給している。
中国とベトナムは、第二次世界大戦後に何度も軍事衝突を繰り返している。
そんなベトナムに戦闘機を売れば、
東アジアにおいても、火に油を注ぐようなものだ。
中東が大混乱に陥り、南シナ海でも紛争が始まれば、
どこの国が損をするか。
それは、日本か。
確かに、ペルシャ湾で原油を積み込んだ日本のタンカーは、
南シナ海を通過する。
しかし、まず最初に干上がるのは、中国になる。
今や、中国は、原油の輸入国になっているので、
南シナ海の紛争、中東の大混乱で、大きなダメージを受けることになる。
日本の場合は、原油の備蓄が非常に大きいが、
中国の場合は、備蓄量が少ない。
世界の大国はロシアとアメリカで十分だと考えるロシア人にとって、
中国の自慢・傲慢には、頭に来ている。
アメリカにしてみれば、
自らの手を汚さずに、中国を弱らせることができるので、
ロシアの計略を黙認する。
さて、これは、空想・フィクションにすぎません。
しかし、ロシアにもアメリカにも「動機」があります。
ロシアは、天然ガスや原油の資源大国です。
アメリカも、シェール革命によって、世界最大の原油大国になりました。
一時期は、原発ルネサンスと言われるほど、
原子力発電所の建設がブームになりましたが、
2011年の原子力発電所の事故によって、
世界は、石油と天然ガスに依存するようになりました。
結局、世界は、石油と天然ガスによって支配されるのか。
空爆 2015 9 27
ベトナム空軍が、南シナ海に浮かぶ、
スプラトリー諸島のファイアリー・クロス礁を空爆する。
かつては、ベトナムが領有していたが、
1988年の武力衝突によって、中国が奪取して、
現在まで実効支配を続けている。
ベトナム空軍は、ロシアから、
最新鋭の戦闘爆撃機を購入して、空爆を準備してきた。
アメリカ太平洋軍は、それを支援するために、
F22ステルス戦闘機を派遣する。
アメリカは、中国とベトナムの紛争に対して、
表だって動けないので、
「見えない戦闘機」でベトナム空軍を「ステルス」後方支援する。
書名 不死身のイーグル
著者 夏見 正隆 徳間文庫
アメリカ空軍が、突然、日本の航空自衛隊に対して、
F15イーグルとF22ステルス戦闘機の「異機種間の模擬格闘戦訓練(DACT)」を
申し込んできたのは、意外だった。
そもそも、F22ステルス戦闘機は、
遠距離から、姿を隠したまま、ミサイルを発射して、
敵を殲滅できるというコンセプトで開発されているので、
接近戦、つまり空中戦になるのは、想定されていないのではないか。
もちろん、F22は、空中戦になっても、
推力偏向ノズルを使って、
まるでUFOのように特殊な動きができるので、
圧倒的に強いとされている。
「我々は、技術力に頼りすぎた」と、
アメリカ空軍の大佐は言う。
模擬訓練のDACTでは、意外な結果となった。
F15が4機、F22が2機という「4対2」という戦いではあったが、
F15が2機撃墜、F22も2機撃墜されるという結果になってしまった。
空中戦において、F15のパイロットが、
あまりにも意外な戦法を使い、それがF22撃墜という結果を引き出した。
航空自衛隊の幹部は、別の幹部に、こう言う。
「そもそも、F22が優れた戦闘機だとしても、
姿を隠したまま中距離ミサイルで、
敵を殲滅できるのは、本当に戦争になった場合だけです。
しかし、これまで、
アメリカと中国の間で起こった軍事的な衝突を思い出してください。
例外なく、すべて目視圏内というか、
すぐ近くに接近した状態で発生している。
アメリカの偵察機EP3と中国の戦闘機は、
実際に衝突しています。
それが、有名な海南島不時着事件です」
南シナ海、波高し。
中東から日本へ原油を運ぶタンカーは、高い波を超えらるのか。